◎―このプロジェクトのコアメンバーは?
宮島 好孝(エリアマネジャー)
岡田 和也(デイサービス笑楽西田辺 施設長)
藤田(デイサービス笑楽西田辺 管理者)
サポートメンバーは、
田中 浩敬(ビオネスト本部 組織開発室長)
です。
―そもそもの発端は?
ビオネストグループ組織開発室長 田中が、ファシリテーター兼ゲストスピーカーを務めたジェイ・ライン株式会社主催の「オオサカジン異業種ビジネスマッチング交流会」での 宇治園 代表取締役・会長 重村氏との出会いが「発端」です。
※参考URL: https://kaishaoen.osakazine.net/e720858.html
この交流会で、田中が「介護業界のイメージ革命などのイノベーション的な企画を多数行っています」ということを重村氏に伝えたところ「介護施設でご高齢者をおもてなしする『お茶会』などが出来ればよいですね!」という反応をいただいたことが本企画のスタート地点です。
その日から、何度かの打ち合わせを経て、
1)今の介護施設を利用されている高齢者層は、意外と「コーヒー世代」。お茶の良さを知らない人も多い。【介護施設で学ぶジェロントロジー(高齢社会工学)の一環として、日本茶を通じた日本文化を学ぶ場にしてはどうか?】
2)2020年11月27日、奈良県立医科大学が「新型コロナウイルスがお茶に含まれるカテキンによって無害化する効果がある」ことを発表した。【コロナ感染による重症化リスクが高い介護施設ご高齢者にお茶を愉しんでもらいつつ「コロナ予防」になる場を提供してはどうか?】
参考URL https://www.sankei.com/west/news/201127/wst2011270045-n1.html
3)日本文化の一つとして「日本茶を愉しむ場」をもっと日本中に増やしていきたい。介護先進国であり、超高齢社会となった日本で介護施設は、これからどんどん増えていく。【この介護施設で「日本茶を愉しむ場」をプログラムに出来たら、日本茶文化の伝承に貢献できるのではないか?】
という3つの共通テーマが明確になり、「介護施設DEお茶会」というイベントの実施に至りました。
―「介護施設DEお茶会」はどういった内容を実施したのですか?
検温、手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保等の感染対策を徹底したうえで、下記のようなプログラムを実施しました。
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◎介護施設DEお茶会 14:50~15:30
・施設長岡田、管理者 藤田 より宇治園様の紹介
・宇治園 重村会長より自己紹介
・奈良県立医科大学が発表した「コロナ予防にお茶が効果的!」に関する情報提供
・急須で淹れる美味しい日本茶の淹れ方の実演
・ペットボトルのお茶と急須で淹れたお茶の飲み比べ体験「利き茶」
・答え合わせ・総括
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当日は、事前にアナウンスがあったことも功を奏し、宇治園の重村氏が施設に登場すると「重村さん、ようこそ~!」という歓声がご利用者と従業員から上がりました。
西田辺店では、コロナ禍になる前に外出レクリエーションで千利休の「千利休茶の湯館」に行ったことがあり、お茶に興味関心が高いご利用者も多くおられ、大変盛り上がりました。
特に、めっきり減ってしまった「急須でお茶を淹れる」ことについて、急須でお茶を淹れることのメリットや効果についての解説では「へ~っ!そうなんだ!」ということもチラホラと聞こえてきて、「学び」を得たご利用者も多くおられた印象でした。
また、従業員からは、下記のような声が組織開発室に届けられました。
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■お茶会の熱気が収まらず、帰り送迎でも利用者様から「美味しかったね」「急須の淹れ方家族にしてみる」等大変喜ばれていました。
■延長利用者様からも「宇治園のお茶出さないの?」とまた飲みたいと話されている方もいます。大変満足頂けた企画だったと思います。
■普段落ち着かない方、何もしなければ傾眠してしまう方等が集中して参加されていたことがとても印象的でした。
■利き茶会では、ご利用様が正解を出せるというのは、私らの舌ではわかりにくくもありましたが、お茶に対して深く馴染のある大先輩は流石であると驚きもあり、また各ご利用者様が最も満足して頂けた事が何より一番でした。
■重村会長から急須でのお茶の淹れ方を直伝いただいた職員も、「正しい急須でのお茶の淹れ方」を学べたことは刺激になったと思います。
■いつも西田辺店では、どんな新しいレクでも割とすんなり受け入れてもらえ、盛り上がりを見せるのですが、今回のお茶会は今までとは全く違う雰囲気で驚きました‼全員が集中して頂けるモノがあるんだ!と新しい発見でもありました。
■利用者様が集中してお茶のお話を聞いておられる姿、普段レクには参加されない方が楽しそうにされている姿を見て、改めて私がこの仕事をなぜ選んだのか、初心に帰り考えさせられました。やっぱり利用者様が喜んでおられる姿は、私たちもモチベーションが上がります!!利用者様にとってもスタッフにとっても良いイベントだったと思います。
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コロナ禍でネガティブな情報が蔓延し、精神的にも疲弊する中ではありますが、ご利用者の「笑顔」と従業員の「仕事のやりがい」を生み出すことが出来たという点で、とてもよい企画になったと思います。
―「介護施設DEお茶会」に関する今後の展望は?
今回は、あくまでも「トライアル」としての企画実施でしたが、
・ジェロントロジー(高齢社会工学)の一環として、「日本茶文化を学ぶ場」
・カテキンを含みコロナ予防効果が見込める「日本茶を愉しむ場」
として、「介護施設の新しいカタチ」の一つとして、サービスモデルを構築していければと考えております。
そういった「場」として介護施設をリ・デザインできればビオネストグループが様々な企画で挑戦している「介護業界のイメージ革命」にもつながると思います。
今後は、より広く業界の壁を超え、日本茶だけでなく、和菓子など「日本の文化」を学ぶ場として、介護施設をデザインして行きたいとと考えております。