学生のアルバイトと言えば、居酒屋やコンビニエンスストアが定番…でも、社会課題に興味関心が高い「Z世代」の学生の中には介護施設でアルバイトする人も!?
Z世代は、「1990年半ばから2010年代生まれの世代」のことで、2022年現在25歳以下の世代を指します。生まれたときからインターネットやデジタル機器が身近にあり、物心がついたときにはスマホやSNSがあったことから、「ソーシャルネイティブ」「スマホネイティブ」と言われています。「社会課題」に高い興味関心を持ち、「つながりや共感」を重視する特徴があると言われています。
今回は、そのようなZ世代の中で、縁あってビオネスト笑楽でアルバイトしている「関西大学の現役学生アルバイト第1号」の高橋さんを特集します。
高橋さんは関西大学の4回生(2022年1月現在)。縁あって、ビオネスト笑楽と出会い、職場体験、1週間のボランティアを経て、現在デイサービス笑楽緑地公園店でアルバイトをしています。アルバイトといっても、介護施設の人員に計上されるため、仕事内容は正社員と非常に近いものに従事してもらっています。ご利用者の「送迎」から「入浴介助」「移動介助」「食事介助」といわゆる「ザ・介護」の仕事です。
「最初は想像以上の難しさを感じた入浴介助も、今は少しずつ慣れてきました!」「スタッフの皆さんも、とても優しく丁寧に仕事を教えてくださるので、とても働きやすい環境だと感じています!」「ご利用者からたくさんの『ありがとう!』をもらえるのがやりがいにつながります!」と語る高橋さん。世界一の超高齢社会となった日本において「介護」という仕事はこれから増々社会的意義が大きくなっていきます。
もしビオネスト笑楽でのアルバイトに興味がある方がいれば、ぜひお近くの職員にご相談ください。将来性も高く、社会的意義の大きいお仕事がそこにはあるはずです。
ここからは、「関西大学の現役学生アルバイト第1号」である高橋さんと「その上司であるデイサービス笑楽緑地公園店の管理者」である岡崎へのインタビューを通じて、「Z世代が介護施設で働く意義」を掘り下げてみたいと思います。
1)関西大学の現役学生アルバイト第1号である高橋さんへのインタビュー
・インタビュアー:関西大学OBがビオネストグループで働いているという縁で始まった「産学連携ゼミ“学生起点の介護イノベーション”」。その産学ゼミでご一緒している西岡教授からの紹介で、まずは職場体験、その後1週間ほどのボランティアを経て、現在アルバイトとして働いてもらっています。「現役の大学生」が笑楽でアルバイトすることは、かなり珍しく「関西大学の現役学生アルバイト第1号」であることは間違いないと思います。なんでも「第1号」は偉大です。
学生の身分であれば、居酒屋とかアパレル、コンビニなどの「ザ・学生のアルバイト」をすることもできる中、「超高齢社会」という日本最大の社会課題のど真ん中「介護業界」に踏み込んでくれたことに感謝しています。今日は、高橋さんがデイサービス笑楽で職場体験、ボランティア、アルバイトという3つを経験して感じたこと、得たことを中心に話を訊かせてください。よろしくお願いします。
・インタビュアー:まずは、「職場体験」です。職場体験ではどういった体験をしたのですか?
・高橋さん:職場体験は、今アルバイトしている緑地公園店に来ました。管理者の岡崎さんが中心となって、施設や設備の説明、CGTを使った機能訓練の体験、ご利用者との対話をさせていただきました。私以外にももう一人学生の職場体験者がいたのですが、彼と二人で「朝の会」でご利用者の前で「自己紹介」をさせていただきました。
・インタビュアー:2時間程度の職場体験を通じて、介護業界のイメージは変わりましたか?
・高橋さん:はい、大きく変わりました。職場体験に行く前は「介護って暗い」というイメージだったのですが、そのイメージを裏切って「とにかく明るい空間」だったことで、「介護って、実は明るい」というイメージに変わりました。そのイメージ革命が起きた要因は、「実際に介護施設に来て、感じたこと」が大きかったと思っています。
・インタビュアー:ありがとうございます。私も介護業界以外から介護業界に来た人間なのですが、一度実際に足を運ぶとかなりイメージ変わりますよね。もっと多くの人に介護業界や介護の仕事に興味をもってもらえると嬉しいと思っています。では、介護のイメージがプラスに変わったということですが、介護施設で働いてもいいという「就労意欲」については、向上しましたか?
・高橋さん:はい、向上しました。介護そのもののイメージがプラスに変わったことと、思った以上に働きやすそうな職場だと感じたことが要因です。体験にくる前は、正直もっと元気がない高齢者の方ばかりなのかと思っていたのですが、とにかく明るくて元気な高齢者の方もたくさんいて、「こんな感じだったら働いてもよいかも」と思いました。
・インタビュアー:ありがとうございます。次に、「ボラインティア」の時の話をさせてください。今回、産学連携ゼミの研究テーマの一つに「介護施設に若者のボランティアを多く集めにはどうすればよいか」というものがあり、その関連で いきなりアルバイトではなく、無償のボランティアの「気持ち」を体験するために「ボランティア」からスタートしました。ボランティアは1週間ほどでしたが、どのようなことをされたのですか?
・高橋さん:ボランティア期間は1週間ほどでしたが、ほぼ毎日午前と午後両方来ていました。午前中は比較的ゆっくりとした時間を過ごしていただき、午後からレクリエーションなどアクティブな時間が変わるという1日の変化が見てとれました。ご利用者との対話だけでなく、配膳をお手伝いしたり、ご利用者が昼食に何を食べたのか記録したり、塗り絵レクリエーションをご利用者と一緒にやったりしました。送迎や介助などは一切ありませんでした。
・インタビュアー:ボランティアをして、「得たもの」は何でしょうか。
・高橋さん:ご利用者との関わり方に慣れた、というものが一番でしょうか。職場体験に来た時は正直何を話したらよいのか、戸惑いっていたのですが1週間 多くのご利用者と対話することで、高齢者とのコミュニケーションスキルはアップした実感があります。もちろん、介護職として対話というものではなく、世間話程度ですが。また、ボランティア期間に「介護の仕事」について理解が深まったことも大きいです。職場体験は本当に体験だけですが、ボランティアの時は長い時間施設にいたので、スタッフさんからも声をかけていただいたり、仕事を教えてもらいました。スタッフさんから率先して話かけてきれくれたのが、本当に嬉しかったです。良い職場だな、と思いました。
・インタビュアー:改めての質問になりますが、ボラインティアをして、介護業界や介護の仕事に関するイメージは変わりましたか?
・高橋さん:はい。職場体験時のイメージ革命があったので、「さらにプラス」という感じですが。介護の仕事というと専門性が高く、困難な高齢者とケアするという「難しい仕事」というイメージだったのですが、実際に「とっつきやすい仕事」もたくさんあり、「自分でも出来ることがある」と自信に変わりました。
・インタビュアー:なるほど。では、次は「アルバイト」の話を教えてください。アルバイトでは、どういった仕事をされるのですか?
・高橋さん:職場体験やボランティアと全く違いアルバイトは「介護の仕事」に携わっています。ご利用者をご自宅から施設に車で送り迎えする「送迎」から始まり、入浴介助、移動介助、食事介助といった「いわゆる介護の仕事」をさせていただています。
・インタビュアー:アルバイトで「得たもの」は何でしょうか?
・高橋さん:間違いなく「運転スキル」は向上しました(笑)運転免許は持っていたのですが、あまり運転しなかったので。他には、「入浴介助」はアルバイトをし始めた時と比べると、少しは上達したと思っています。浴室まで支えて移動し、着替えを手伝って、髪や体を洗ってあげて、髪をかわかす。その過程で、ご利用者が「俺はこんな人生を歩んできたんだよ」「若いころは、こんなことをしていたんだよ」という話をきけるのも楽しいです。
・インタビュアー:ボランティアとアルバイトの違い、アルバイトのやりがいはいかがでしょうか。
・高橋さん:やはりボランティアはボランティアで、アルバイトは「仕事」なんだと感じました。ボランティアの時は「お客さん」という感じでしたが、アルバイトは「従業員」なので、責任感が大きく違うと感じました。また、アルバイトとしてお金をもらいながら働くことで、やりがいを実感することも出来ました。ご利用者やスタッフさんから「ありがとう」とたくさん言ってもらえることが、一番「働いているな」と「やりがい」を感じる瞬間です。
・インタビュアー:三度の質問になりますが、アルバイトを通じて介護業界や介護の仕事のイメージはどのように変わりましたか?
・高橋さん:とにかく職員の皆さんが、凄い!と思いました。見ているのと実際にやってみるのでは大違いで、思った以上に難しいことを職員の方が スムーズかつ、丁寧で、しかも早いことに気づけました。仕事を一緒にして初めて、上司の方や先輩の方と自分のスキルの違いを実感できるとはこのことなのだと思いました。正社員とアルバイトの差も痛感しました。また、印象的だったのは、職員の方が「楽しそうに働いている人が多い」ということです。一般的にはしんどいと思われる仕事を楽しそうにされているその姿が印象的でした。また、僕が何を質問しても即座に回答をくれて、フォローもしてくれます。
・インタビュアー:「アルバイトをしながら、正社員の視点で仕事を見れる」かどうかが、学生時代のアルバイト経験の質を変えるのでしょうね。では、少し視点を変えて、ビオネスト笑楽でのアルバイト経験は就職活動に活かせましたか?
・高橋さん:はい、新卒面接では「学生時代にどのようなアルバイトをされてましたか」という定番の質問があるので、その回答で「介護施設でアルバイトしています」という「普通の学生がしないアルバイトをしている」ことで、少しは目立てたと思います。また、介護施設でのアルバイトを通じてコミュニケーションスキルが高まったことも、好印象だったと思います。デイサービスのご利用者は本当にたくさんの人がいて、一人ひとり個性が違って、興味関心も違うので、個別対応が必要です。対人コミュニケーションスキルや接客スキルの裏付けとしても活きていたと思います。
・インタビュアー:なるほど。受ける企業にもよりますが、「社会課題解決」を掲げている企業であれば、超高齢化社会という日本最大の社会課題の最前線にいる「介護現場」での経験は、プラスポイントになるかもしれませんね。高齢者市場は2025年に100兆円と言われる巨大市場でどの企業もターゲットに入れているので、その高齢者との関わり方を知っている高橋さんの「人材価値」や「新卒としてのポテンシャル」にプラス評価になる可能性もありますね。最後に、ビオネスト笑楽でのアルバイト期間にチャンレンジしたいことはありますか?
・高橋さん:送迎や入浴介助の業務レベルを今よりもっと向上させたいと思っています。また、産学連携ゼミで研究しているテーマについても、トライアルして学生ならではの発想や着眼での企画をトライアルする機会がつくれると嬉しいです。
・インタビュアー:ありがとうございます。可能な限り、チャレンジを応援したいと思います。本日はインタビューに協力いただきありがとうございました。
2)デイサービス笑楽緑地公園店の管理者 岡崎へのインタビュー
・インタビュアー:次は、高橋さんの上司である緑地公園店の管理者 岡崎さんにインタビューします。「現役学生が介護施設でアルバイトする意義」を主軸に掘り下げてみたいと思います。今回、高橋さんには職場体験、ボランティア、アルバイトの3つで緑地公園店でお世話なりましたが、この3つを経る上での高橋さんの変化・成長について教えてください。
・岡崎さん:はい。職場体験は、2時間だけなので、本当に見学程度です。一方で、ボランティアの時はご利用者との対話、体操、ドライヤーをかけてもらったり、簡単な仕事をしてもらいました。まだ職場にもご利用者にもなじんでいない感じで、少し緊張している印象でした。ただ、ボランティアの終盤としてアルバイトになるにつれて、慣れてきた印象でした。職場体験やボランティアのときと比べるとアルバイトになってから、送迎や入浴介助などの介護の仕事に従事してもらい、スキルもアップしたと思います。ボランティアの時と比べるとアルバイトの時は、高橋さんの笑顔が格段に増えたと思います。スタッフとの連携も増えて、自然体の表情が増えたように見えました。
・インタビュアー:学生アルバイトに触れるご利用者の反応はいかがでしたか?
・岡崎さん:20代そこそこの高橋さんはご利用者からすれば「孫世代」。ご利用者からとてもかわいがってもらっていた印象です。高橋さんは「目が優しく」「真面目」なので、ご利用者にも「また笑楽においでね!」と言われていました。
・インタビュアー:学生アルバイトと働くスタッフの反応はいかがでしたか?
・岡崎さん:正直な話を申し上げると私もスタッフも「学生アルバイト」と働くことが、「初体験」なのでとまどうことも多かったです。どう仕事を振ってあげたらよいか、どう関わってあげるのがベストか手探りでした。過度な期待をせずに、まずは仕事を振ってみて、適性を見る、サポートをつけるという形で職場全体で関わりました。時には、「ちょっとしんどいかな」と思う仕事もお願いしてみて、彼がどう対応するかみたり、試行錯誤しました。
・インタビュアー:とまどいもある中、現場の介護スタッフにとって学生アルバイトは役立っていたのでしょうか?
・岡崎さん:間違いなく役立っています。送迎は、想像以上に大変なので。高橋さんは、かなり自分から「質問」してくるタイプで、手持ち無沙汰になることをさけてくるので、優秀だと思います。
・インタビュアー:なるほど。潜在的ですが、「学生という若者が働いている介護施設」というだけでも、介護のイメージ改革に貢献していると言えるかもしれませんね。第1号の高橋さんに続いて、第2号、第3号の学生アルバイトが増えること、そして、Z世代の若者が介護業界に興味をもってくれると嬉しいですね。本日はインタビューに協力いただきありがとうございました。